ディズニーの最新アニメ「ズートピア」を見に行きました。
いつもの新宿ピカデリーでは吹き替え版しか上映していないので、TOHOシネマズ新宿に行きました。
上映時間帯によって、大きなホールか小さなホールかに分かれるようですが、大きなホールの方が音質がいいようです。
29日の祝日に行ったせいか、ほぼ満員。
吹き替え版でないせいか、子供の姿は少なく、カップルが目立ちました。デートにはちょうどいいかもしれません。
話は、様々な動物たちが暮らす都市「ズートピア」に配属されたウサギ初の警官ジュディとたまたま知り合った詐欺師のキツネであるニックが、ズートピアで起きている重大な事件の謎を追う、というもの。
まず驚いたのが、動物たちの毛並みのフサフサ感。
CGもここまで来たか、とびっくり。
それ以外の風景とかもリアル感があり、年々CGの質が向上しているのを感じました。
様々な大きさの動物たちが暮らしていくための仕掛けもよく考えられていて、制作陣もあれこれ想像しながらデザインしていくのも楽しかっただろうなあと感じます。
脚本もよく練られていて、事件が解決したように見えて、そこから一波乱あったり、(途中で大体想像がつくものの)意外な黒幕がいたり。
ナマケモノの登場シーンでは大いに笑いました。
動物によって大きさはざまざまで、小さなウサギであることで不当な扱いを主人公は受けることになりますが、話が進むにつれ、大きさによる差別は逆になくて、意外な動物が大きな力を持っていたり、人間世界での人種差別に対する批判的な要素もあるのかなと感じました。
まあ、そんな複雑に考える必要もないくらい面白い作品でした。
最後の歌もよかった。
帰宅してから、Apple Musicでサントラ盤を聞き直しました。
これはオススメ!
(5/1 23:58 追記)
この映画の中で描かれている内容について、ある解説を聞いてハッとさせられました。
1.アメリカの免許センターは仕事が遅いので有名で、いつも行列だそうです。それを揶揄しているのが、ナンバーを調べに行ったところで働いているナマケモノ。
2.ヒツジの副市長のふわふわの毛を「ふわふわだあ」といって触るシーンがありますが、アメリカではアフロヘアの人の毛を見て、「フワフワに見えるから触らせろ」ということが多々あるそうなのですが、アフロの人にしてはとても嫌な気持ちになるそうです。そういう背景があってこのシーンが作られたようです。
3.ジュディが初めて出勤した時、受付のトラに「かわいいなあ」と言われるシーンで、「同じウサギにかわいいって言われるのはいいんだけど、他の動物に言われるのはちょっとなあ」というやり取りがあるのですが、実際にアメリカ国内で黒人同士では普通に使われるのに、白人が同じことを黒人に言うと、差別的に受け取られる言葉があるそうです。
4.多分ゾウのアイスクリーム屋のシーンだと思いますが、店に「私たちはお客に対してサービスしない権利があります」という看板が掲げられていたと思います。これと同じ看板が、60年代の南部地域で白人対象のレストランで黒人にサービスしない目的で掲げられていたそうです。今でも残っているかどうかわかりませんが、人種差別の象徴的な看板のようです。
その他もろもろ、草食動物は弱くて、肉食動物は強いというイメージなど、うっかりするとステレオタイプ的なものの見方を戒める内容が盛り込まれているそうで、単にアニメとして楽しむほかにも、いろいろと深い意味が隠されているようです。
上述の3のシーンだったかもしれませんが、「ステレオタイプ的に見ないでよ」というセリフがあったように記憶しています(字幕にそのように出ていたか覚えていませんが、英語のセリフではそのように言っているシーンがありました)。
人種や出身によって差別することの馬鹿らしさを、この映画ではさりげなく表現しているようです。
深い作品だと思いました。