【一部ネタバレあり!先入観なく作品を見たい方は読まない方がいいです。】
今日初日の「アメリカン・スナイパー」を観に行きました。
初回の10時でしたが、いつもの新宿ピカデリーはいちばん大きなホールがほぼ満員。
アメリカでも大ヒットしている作品で、アカデミー6部門にノミネートされているとか。
私を含めて公開を待ち望んでいた人も多かったのでしょう。
以前何かの作品を見に行ったとき上映されていたのが、この予告編。
爆弾らしきものを持ってアメリカ兵に走り寄っていく少年。爆弾なら撃たないと舞台に大きな被害が出る。
でも間違っていたら…。
この作品の冒頭がこれです。
ネイビーシールズ所属のスナイパー、クリス・カイル氏の自伝を元にした作品で、イラクに派遣され公式で160人以上を狙撃した実在の人物の物語です。
この記録は、スナイパーとして狙撃に成功した人数として、まだ破られていない記録だそうです。
それだけの腕前を持っていたため、敵からも多額の懸賞金をかけられていました。
そんな主人公も結婚後に初めてイラクに派遣され、戦場に身を投じることで、心が戦場にとらわれて行ってしまいます。
イラクから帰還した兵士が、帰国後PTSDで自殺する例が非常に多いそうですが、どんな勇敢な兵士であっても戦争という場に居続けることで、自らの心も傷つけてしまうのでしょう。
妻からも「帰国しても心はイラクに残したまま」と言われますが、自分が助けられる命があるとの使命感からか、結局4度も派遣されることになります。
帰国し除隊後に待っていたのは、妻と二人の子ども。
自らのPTSDを克服し、他の帰還兵士の面倒も見ることになります。
そのことが悲しい結末に導かれてしまいます。
作品全体を通して、緊張感ある場面が多く、一瞬たりとも気を抜けません。
主人公の演技もすばらしい。
初めてイラクに派遣されてから、だんだん自分の使命感が強まっていき、何度もイラクに戻るものの、だんだん心が壊れている様を演じています。
監督はクリントイーストウッド。
80歳を超えてなおこのようなハードなテーマの作品を作ることができることにも驚きです。
彼が作る作品はどれもすばらしく、実際に高い評価も受けていますが、個人的にもこの作品がトップではないかと思います。
エンドロールは無音です。
私はこの時間は黙祷のために用意されたものだと勝手に解釈しています。
とにかくこの作品を見ないのはもったいないと思います。
映画館に足を運んでください。
元になった自伝本は、Kindle版もあります。さっそく購入しました。
彼の生の声を知りたいと強く思いました。
そういえば、クリス・カイル氏を射殺した犯人の裁判がちょうど始まったようです。
PTSDによる犯行であると、弁護側は主張しているようです。