「悪の教典」を読み終わった。
小説が売れて、映画化されたのはずいぶん前なので、今更感が漂ってはいるが、久しぶりに東野圭吾氏以外の作家の小説だった。
実はiTunes Storeで映画をレンタルで見ていたのだが、どうも話しを急ぎすぎた感があって、主人公が最後の殺戮に到る経緯が今ひとつしっくりとこなかったのだが、小説を読むとその流れがよく理解できる。
理解できるとは言っても、感情を持たない男の話なので、主人公の心情までは理解できているわけではないけれど。
小説としては読みやすく、上下に分かれている割には早く読むことができた。
学校が舞台なので、先生や生徒が大量に登場し、誰が誰だかよく把握していないといけないとは思う。
舞台となる学校に赴任する前の主人公の行動も描写されており、主人公がいかに頭の回転が速いか、すぐに行動を起こせるのかがよくわかる。
ついには少しずつほころびが出始め、最後の殺戮に到るわけだが。
この主人公のような人間が実際にいるのかはわからないが、酒鬼薔薇事件の少年Aのことを思い出してしまった。少年Aの手記か何かをずいぶん前に読んだことがあるが、あの異常性はこの主人公につながるものがあるように感じる。
感情を一切持たない人間。
それに加えて高い知能を併せ持っている人間がいたら、さぞかしおそろしいことだと思う。
映画をレンタルするなら、これ。
原作はこちら。
Kindle版が文庫本と同じ価格というのが、ちょっとアレですが。