映画

今更ながら「ミレニアム」

時間があるので、買ったまま放置していた「ミレニアム」を読んでみた。

本についてはベストセラーなので知っている方も多いと思う。

簡単なあらすじをいうと、月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルが大物実業家の違法行為を暴く記事を発表したが、逆に名誉毀損で有罪になってしまい、『ミレニアム』から離れた。そんな折り、大企業グループの前会長ヘンリックから依頼を受ける。およそ40年前、彼の一族が住む孤島で兄の孫娘ハリエットが失踪した事件を調査してほしいというのだ。彼はハリエットが殺されたと思い、犯人を見つけて欲しいといっているのだ。解決すれば、大物実業家を破滅させる証拠を渡すという。ミカエルは受諾し、困難な調査を開始する。

というもの。

調査の過程で、リスベット・サランデルという一風変わった女性が登場するのだが、優れた情報収集能力を持ちながら、他人との関係をなるべく持たないようにしている変わった性格の持ち主だ。

3巻まで出ているが、この話は1巻のこと。

ハリウッドでも、「ドラゴン・タトゥーの女」というタイトルで、ミカエル役をダニエル・クレイグが演じ、それなりにヒットした作品になっている。

子どもと見る映画ではないが、見て損はないと思う。

iTunes Storeでレンタルもできる。

デヴィッド・フィンチャー
posted with iTunesLinker at 13.09.11

1巻目の話しは同族企業の話しなので、同じ姓の人物が多数登場するので、人間関係がわかりにくい(しかも全部スウェーデン人の名前なので覚えにくい)。でも、ちょっとした発見をきっかけに、裏に隠された事件が明らかとなり、ハリエットに起きた事実が明らかになる過程は、とてもエキサイティングだ。

リスペットはこの調査で非常に大きな貢献をし、窮地に陥ったミカエルを助けることにもなるのだが、2巻目以降ではミカエルと距離を置くことになる。

この2巻と3巻は、1巻とはまったく別の話で、別の見方をすれば1巻目は主人公の性格と能力を紹介するための前日譚とも言えるかも知れない。

この2巻と3巻では、リスペットの出生の謎、国家を揺るがす公安警察の陰謀などが展開し、それと並行して殺人未遂容疑で逮捕されたリスペットの裁判が描かれる。

1巻も登場人物のややこしさはあるものの、読み出したらもう止まらないおもしろさ。

2巻目に入ると、さらにおもしろさが加速し、一気に3巻まで読んでしまった。

本作の作者は、この本を書いたあと急逝してしまったため、本来10巻までのシリーズになる予定だったらしいが、これ以上の話が読めないのがとても残念だ。実は4巻はもう完成しており、ワープロで書かれたデータが残っているともいわれているが、遺産相続でもめているらしく、出版されるかどうかはまったく不明だ。

登場する人物は、誰しもみんな魅力的で、これらの人物の話しが読めなくなるのは寂しさを感じてしまう。

読んでいない人は、ぜひ手にとって欲しい作品だ。読まないなんてもったいないくらいの作品である。

紙の本だけでなく電子本にもなっているので、かさばらずに済む。私はBookLiveで購入したが、Kindleでも読むことができる。

ハリウッドで1巻目の話が映画化されたことは上述したが、本国スウェーデンでは3冊とも映画化されている。

それも見てみたが、なかなかおもしろい。

ミカエル役はダニエル・クレイグの方が似合っていると思うが、リスペット役はハリウッド版はそれでなかなかの好演だったが、スウェーデン版のリスペットも雰囲気がでている。

この女優は、たしかエイリアンの前日譚といわれる「プロメテウス」にも登場していたはずだ。

スウェーデン映画なんてなかなか見る機会がないが、ちゃんとiTunes Storeでレンタルできる。

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女

ミレニアム2 火と戯れる女

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士

小説もそうだが、原作でも使っているパソコンはMac。Palmのハンドヘルドマシンが登場するのが、ちょっと懐かしい。

Ad by Google

-映画,

%d