あまりご存じない方も多いかと思いますが、かつて日本で特撮映画がブームだった頃に制作された映画に「マタンゴ」という作品があります。
「ヨットで海に繰り出した7人の若い男女が遭難し、無人島に漂着。そこには不気味なキノコ以外に食料はまったくなく、やがてそれを食べた者はキノコ人間=マタンゴと化していく。」
というストーリーなのですが、これがまた不気味な映画なんです。
どこかの病院(昔のイメージの精神病院?)の薄暗い病室で、自分の身に起きた出来事を淡々と語り出す出だしから、不気味なんですが、次々と仲間がキノコを食べてマタンゴと化してしまったその姿。不気味以外の何者でもありません。
この頃は多数の特撮映画が作成されましたが、この「マタンゴ」って、いったいどんな観客を想定して作られたのか、まったくわからないんですよね。子どもにとっては衝撃的すぎます。現に私はこの映像がトラウマになって、あまりキノコを食べません。
「特撮もの」といえば怪獣映画が多かったわけで、大人向きともいえるのかどうか疑問です。
でも何となくこの作品が好きで、DVD化されていることを知ったときは、とても欲しくなったのですが、なぜかAmazonでも品切れ状態が続いていました。オークションで、新品が原価割れしているのを見つけ、なんとか手に入れることができました(先日、吉祥寺のヨドバシカメラのDVDコーナーで、ふつうに並べられているのを見たときは驚きました。ヨドバシカメラ恐るべしです)。
|
でも何よりも驚いたのが、オークションでDVDを探しているとき見つけた「マタンゴ三輪車」。
あの有名なブルマァクのおもちゃなのですが、映画「マタンゴ」に登場するキノコのお化け「マタンゴ」が、なぜか三輪車に乗っているおもちゃです。ゼンマイで動かすこともできます。
映画の制作対象ターゲットも不明なのに、そのマタンゴを三輪車に乗せてどうするっ!?と、突っ込みを入れたくなります。
もしおじいちゃんが小さな孫に、「さあおもちゃを買ってきてあげたよ」といって、この「マタンゴ三輪車」を見せてあげても、「わーい、マタンゴが三輪車に乗ってる!かわいいなあ」なんてことには、絶対になりません。
逆にお母さんから、「おじいちゃんはもう何も買ってきてくれなくてけっこうです」とでもいわれてしまうかも知れません。
このどんな客層を考えているのかまったく意味不明の存在「マタンゴ三輪車」。
このバカバカしさは賞賛ものです。
で、やっと手に入れました。
実際に見てみると、ホントになんともいいようのない不思議な感覚です。
いったいどれくらいの数売れたのでしょうか。
けっこうマニアはいるもので、オークションでもずっと高値だったんですが、なんとか安価で購入できました。
大事に取っておきたいと思います。