小説といえば、東野圭吾氏の本をよく読みます。
もしかしたら最近の本は、だいたい買っているかも知れません。
最初に読んだのが、"秘密" (東野 圭吾)。広末涼子が主演で映画にもなった作品です。
とても読みやすいのですが、月並みなテーマで、あんまり面白くありませんでした。
今でも、東野氏の小説を読みたい人に、この作品は薦めません。
次に読んだのが"天空の蜂" (東野 圭吾)。
原子力発電所の上空に、リモコンでヘリをホバリングさせ、政府を脅迫するという内容なのですが、「秘密」とはずいぶん毛色の違った作品だったので、「ずいぶん器用な作家だなあ」と思った記憶があります。
この本は、東野氏の作品としては、いまでも異色なものだと思いますが、とてもスリリングでお薦めできます。
3つめに読んだのが、今回お薦めする
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です。
初めてギックリ腰になって、動けずにいたときに読んだ本ということもあって、非常に思い出深い作品となっています(^^:
ドラマ化されたこともあって、ご存じの方も多いでしょうし、ドラマを見た方も多いでしょう。
私も、どんな風に映像化しているのか興味があって、ドラマを見てみました。
というのもこの作品は、二人の主人公の周りで、いろいろな事件が起きていくのを、淡々と描いているのですが、どの事件も、だれが何の目的で起こしたのか、明確には書かれていません。本当に、「淡々」と書き綴られているのです。
「淡々」と話が進んでいくというと、何となく読みにくそうな印象を与えるかも知れませんが、これが不思議とラストまで一気に読めてしまいます。
このようなタイプの小説は初めてでした。
このような作品を書くことができる才能を、とてもうらやましくも感じました。
残念ながらドラマでは、小説で明確に書かれていないことも、はっきりと描かないわけにはいかず、小説のすばらしさを伝えることには失敗しています。でも、誰が映像化するにせよ、この作品の雰囲気を「映像で表現する」ことは難しいでしょう。
映画やドラマでは描けない、本としてのおもしろさを感じることができる作品です。
私の妻も、この白夜行で東野氏の作品にはまり、"幻夜" 、"分身" 、"変身" 、"宿命" 、"レイクサイド" 、"手紙" 、"容疑者Xの献身" 、"使命と魂のリミット" 、"夜明けの街で" と、立て続けに東野作品を読んでいますが、やはり"白夜行 "が、ベスト1だそうです。
特に、「白夜行」を読んだ直後に「幻夜」を読むと、作品の内容が似ているだけに、少し違和感を覚える、ということでしたので、続けて読まない方がいいかも知れません。