ここ数日で佐藤優氏の本を2冊続けて読みました。
1冊目は、「国家と人生」。竹村健一氏との対談です。
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竹村氏の別荘に3日間滞在し、その間に行った二人の対談を本にまとめたものということですが、内容がとても濃い1冊です。
竹村氏といえば、独特の風貌と髪型、そして昔やっていたコマーシャルで寝そべっていた姿が強烈だったのを覚えていますが、最近はあまりテレビで見かけることもなく、久しぶりにその名前を見た気がします。
どちらかというと保守的な考えの持ち主で、タカ派ではないけれどもタカ派的な考えを擁護する立場の評論家というイメージです。
一方の佐藤優氏は、逮捕された頃の印象は、やはり独特な風貌というくらいだったのですが、「国家の罠」を読んでから、すっかりその語り口、知識、経験に魅了されています。少々昨年は著作を出し過ぎの感が否めませんが、新しい著作が出るととりあえず手にはとってみるようにしています。「マルクス主義」に関する本などは、自分に関心がないので読んでませんが。
この本では、経験、知識ともに豊富な両氏が、さまざまな分野にわたって話を進めています。沖縄、憲法、宗教、ロシアを中心とした外交、読書法、官僚、どれについても話が濃いです。
どちらかというと竹村氏が話している量を1とすると、佐藤氏が4か5位の量を話しているという感じですが、佐藤氏の豊富な知識。経験を、竹村氏がうまく引き出しているなあ、という印象です。
佐藤氏も、これだけいろいろな知識をひけらかすと、時に嫌みに聞こえる場合もあるかとは思いますが、不思議とそんな気がしません。
実際の手腕がどれくらいのものか、私には判断するすべはありませんが、外交の専門家として、彼が一線に復帰していないことは惜しいと思います。
自分の知識のなさを実感するとともに、知的好奇心を大いに刺激される1冊でありました。
次いで読んだ本が、「反省」。こちらは鈴木宗男氏との対談です。
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「国家と人生」の内容がとても濃いものだったのに対し、少し俗っぽいところがあるかも知れません。というのも、外務省官僚の個人名がそのまま掲載されており、その性癖や仕事の能力などの批判があからさまに書かれているからです。
とはいっても、北方領土問題など、なかなか解決の糸口も見えてこない領土問題について、実は解決寸前の段階までいっていた、という話や、外交官の蓄財話など、広く知るべき話が満載です。
鈴木宗男氏については、個人的にはあまり好きなタイプの政治家ではありませんが、逮捕後のいろいろな記事や著作、発言などを聞いていると、そんなにあくどい政治家だとは思えません。今後の活動を注目してみたいと思います。
佐藤優氏の著作については、まだ積ん読状態になっているものもあるので、順次読んでいきたいと思います。