代休で平日に休みが取れたので、標題の本の映画を観に行きました。
「ジャンパー」の方は、7〜8年前くらいに早川文庫から出ている同名の小説を読んでいたのですが、それがとても面白く、何度かの大量本整理にもかかわらず、いまだに持ち続けているくらいなので、とても楽しみにしていました。もっとも、この本が原作かどうかははっきりとはわからなかったのですが。
平日の朝、第1回目の上映とあって人もまばらです。ゆったりと見ることができました。
内容はというと、突然テレポート能力に目覚めた主人公が、その力を利用して悠々自適な生活をしていたところ、ジャンパー能力を持つ人間を追う政府組織に追われる、というものです。
はっきり言ってしまえば、これは駄作といってもいいかも知れません。能力に目覚めるのも唐突ですし、追う政府組織についても、なぜ追わなければならないのかがはっきりしません。単に、ジャンプ能力を持つ者とそれを追う者の、単なる追いかけっこを延々と流している、という印象です。
本のジャンパーでは、主人公の母親はちょっと悲劇的な事件に巻き込まれますが、この映画で登場する母親については、やはり登場の仕方も唐突ですし、登場させる意味もよくわかりません。
まあ、何も考えずに見ることができる映画としてはいいかもしれませんが、テレビで放映したとしても、たぶん見ないでしょう。
しつこいようですが、本の方はお薦めです。
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「バンテージ・ポイント」ですが、これは平日の午後にしてはほぼ満員の入り。劇場がちょっと狭かったこともありますが、休日だと指定券を買うか、少し並ぶ覚悟をしないといけないかも知れません。
上映時間は約90分とそんなに長い映画ではないのですが、最初から最後まで続く緊迫感はすごい。
大統領の登場から暗殺に至るまで、その場に居合わせた複数の人物の観点から、映像が繰り返されるのですが、最初は何が起きたのかよくわからないものの、違う視点の映像を見ることで、徐々に事件の全貌が見えてきます。
そして、最後の繰り返し映像で一気にすべてが明らかになります。
これは本当にすごい映画です。何よりも、脚本が見事。緻密に計算され尽くした脚本、という印象です。
今上映されている作品の中では、イチオシといえるのではないでしょうか。